せんねん灸の効果



お灸の製造過程

 

 

お灸に使用される原料は天然のヨモギです。ヨモギはヨーロッパでは昔からハーブの母と呼ばれてきたものであり、漢方においては生薬として用いられてきた歴史があります。このヨモギの葉の裏にある綿毛だけを集めて精製したものがもぐさと呼ばれるものです。

 

 

ヨモギは日本の山野の広く植生しており、5月から7月のかけて採集されます。採集されたヨモギは葉と茎に分けられ、葉の部分だけが乾燥させられます。先ずは天日干しをして、その後は陰干しをし、さらに火力乾燥を行ないます。そうやってヨモギが完全に乾燥したら、粉砕機によって粉砕していきます。そして、粉砕されたヨモギは、臼によって数回にわたって挽かれた後に、葉肉や葉脈などの不純物が取り除かれ精選されていきます。そうやって出来上がったのがもぐさなのです。

 

 

100キログラムの生ヨモギからは僅かに500グラムのもぐさしか出来ないという大変貴重なものです。このヨモギの綿毛にはシネオールなどの精油成分が含まれており、もぐさにすると時間をかけて燃えていくためにお灸には最適となるわけです。

 

 

せんねん灸は、このもぐさを和紙で巻いた巻きもぐさと、紙パルプの台座を組み合わせることによって温度をコントロールし、ほど良い温熱のお灸を作ることに成功しました。これによって、従来では熱さを我慢するものや、火傷の跡が残るものとされてきたお灸が、手軽で安全なものとなったわけなのです。